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「……私と、結婚したくなくなった……?」
謝るだけの私に業を煮やしたのか、とんでもないことを言い出した。
思わず身を起こして彼女をこちらに向かせる。
「そんなわけない! ずっとこの日を待ってたのに!!」
「じゃあどうしてなの!? 今日は日本のどこでも同性婚が認められる日で、記念に日付が変わるときに婚姻届に署名しようって……約束……したのに……」
最後は聞き取れないくらい声が消え入ったかと思うと、嗚咽が聞こえ始めた。
「……私と結婚するの、もうやめたい?」
「こんな、こと……続くなら……もう、ダメかも」
「……そう……。そうだよね。私もこんな相手なら嫌だわ」
「………………」
「同じこと繰り返して、毎回許してもらって……でも学習能力ゼロなのか、またやる」
「……………」
「うん。やっぱり嫌だよね」
「…………」
「……でも、私はあなたのこと愛してる」
「……どの口が言ってるの……」
「愛しいあなたを真剣に愛している口が言っています」
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