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本気なんだ。振られてもいいから柚木さんに告白するつもりだ。
応援したい気持ちはあるのに、素直に応援できない。だって、土岐くんは柚木さんに利用された上に振られてしまうなんて。
投げ返したペットボトルは、思わぬ方へ飛んだ。
「あ、ごめん」
「いいよ、いいよ」
文句も言わず取りに行く土岐くん。一途で、優しくて、一生懸命で、ちょっぴり照れ屋さんで。どうしてあんな柚木さんのことが好きなの? 絶対に私の方が、土岐くんのいいところいっぱい知ってる!
土岐くんがペットボトルを投げる。
辛い。どうか終わらないで。私たちのこの時間がずっと続けばいいのに。
ゴミ箱を跳ね返る音に安堵する。応援するって言ったのに。私は矛盾している。
――お願いだから、入らないで!
そう願えば願うほど、現実は残酷だ。今まであんなに挑戦しても入らなかったのが嘘みたいに、きれいな放物線を描いてゴミ箱に吸い込まれた。
「え! マジで? やったぁ!」
溢れんばかりの満面の笑みで、土岐くんはかけよってきた。手を掴まれて「ありがとう! 本当にありがとう!」と大興奮だ。なんなら若干涙目だ。
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