1. 愛パパ

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1. 愛パパ

 私の名前は佐藤 康二。大阪の名門某教育大学附属小学校の教師をしてる30歳のごく普通の男。 家族は、学生時代から同棲していた妻と、一人娘の今年5歳になる名前が愛莉の三人で職場近くのマンションで平凡だが、幸せな生活をしていた。 当時、同じマンションには、妻の学生時代からの親友がこちらも娘の愛莉と同世代の女の子と2人で住んでいた。名前は山本 彩、目が大きく、とても可愛いらしい印象の女の子だった。 私たちは、家族ぐるみの付き合いで娘が同じ幼稚園に通園している間、よく休日に屋外バーベキューや泊まりがけのキャンプに出掛けた。山本 彩の父親は、彩が産まれてから直ぐに不慮の事故に遭い亡くなっていた。そのため、私はいつも娘の愛莉と彩の2人を相手に鬼ごっこや、公園遊びなどして、よく遊んだ。 ある日、妻と彩の母親が泊まりがけで同窓会に参加するため、私と2人の子供たちと留守番することになった。3人で夕食を済ませ、後片付けをし終えた私は、居間で仲良くテレビを観ていた子供たちに声を掛けた。 「おい。愛莉、彩ちゃんとお風呂に入って来なさい。もう9時だよ。」 「はあい。」 愛莉と呼ばれた娘だけの声が聞こえた。 その時、彩が、私の方へ何か言いたげな顔をむけていた。
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