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私は最後の一滴まで放出すると、覆い被さっていた彩から、身体を離し大の字になった。
全てのチカラを出し切った満足感の余韻に浸りながらも、だんだんと自分がしでかした行為を振り返ると、やはりマズイ事をしたと認識し始めた。
隣を振り返ると笑いながら彩がうつ伏せになりながら私の方へ顔を向けていた。
「パパ、やっちゃったね。」
可愛いらしい笑顔で私にそう答えると、直ぐに私の隣りに身体を寄せて私の首にしがみついてきた。
「すまない。彩ちゃん。わたしはとんでもない事をしてしまった。本当にすまない。」
私は彩の髪を撫でながら謝罪した。
「どうして謝るの?誘ったのは、わたし。」
彩は私の頬にキスをした。
「ああ!気持ち良かった。今までで最高に気持ち良かった。」
「彩ちゃん、なぜこんな事をしたの?私なんかよりも他にも男性はいただろうに。」
彩は少し曇った顔をしながら、
「いいの。今彼氏いないし。ここに来てパパと遊ぶのを楽しみにしてたし。今日は愛莉がいなかったから、ついお酒が回りすぎたかなあ?したかったの。パパに抱いて欲しかったの。それだけよ。」
寂しそうに語る彩を見ながら、彩は何かを隠している様に見えた。私にも言えない様な。
しかも、途中で彩が小声で話した
「忘れさせて。」
と、いう一言が妙に頭に引っかかっていた。
「彩ちゃん。何があったんだ?やはり何かおかしいよ。」
私は彩に問い詰めようとしたが、
「今は言えない。もう寝ようよ。明日早いし。明日は、ユニバで遊びまわるから、しっかり寝とかないと。」
そう話すと、彩は私にしがみついたまま、スースーと眠り始めた。
私は彩の髪や顔を優しく撫でながら横になった。
「よし、また明日の朝にでも聞いてみよう。おやすみ、彩。」
私は寝ついている彩の頬にキスをすると、いつしか自分も眠りに入った。
こうして、私たちのはじめての夜が終わった。
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