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GMシーン、アルside
リア達を行かせ一人アルは外へと
外では先生と呼ばれていた男と村人がトロール達と戦っている…
「まだやってたんだとろくさいなぁ~」
「村人は殺すなとおっしゃったのは貴方でしょう…」いつの間にか隣にはアルによく似た青年を抱えた長い金髪の男が立っている
「そうだったっけ?別にアイツらリアを虐めるから殺しても良かったんだけどね…」
「では早々に始末をつけましょう、マスターはお戻り下さい、オルグブルグ様が帰還をお待ちしております」
「ええ~面倒くさいなぁ…」とアルは溜息を一つつくと、それと同時に男が抱える青年が目を覚まし、アルは抜け殻の様にたちつくす…
男が青年を降ろすと彼は
「うう~ん、ホント人間の体って弱っちいなぁ~」と伸びをしながら体を動かし
「アル帰っていいよ」と声を掛けると、先ほどまでと違って一切の表情の消えたアルが
「承知しました我が主よ」とと言うと彼の影の中に消えてしまう…
青年の背中に二対の比翼と尻尾とその頭に三対の角が生えており、だが左の比翼の一枚は半分で切られている
「もっとリアと居たかったのになぁ~」と名残惜しそうに家を振り返る
「それは宝玉を集めてからにして下さいとオルグブルグ様が」
「分かってるよ~!でも宝玉に相応しい魂なんて中々見つからないんだよ~」
「ではあの英雄の片破れの魂ならば良き宝玉が産まれるのでは?」
「ヨシュアはだ~め!魂宝玉に込めたらもう遊べなくなるじゃん!」そう言ってから、「はぁ~、魂宝玉にしたの本当失敗だったよな~、こんなに弱っちくなるなんてさ…」と、長髪の青年を見て溜息をつく
「申し訳ありませんマスター」と全くの無表情で青年に頭を下げる
「…本当つまんない…
まあいいや、ネヴァルはアイツら始末してね」
「仰せのままに」と感情の全く隠らない礼を取ると村人達の元に
「さてと…リアはもう逃げたよね…」と呟くと家に向かいふう…と息を吹きかける仕草をするがその吐息は炎となり家を飲み込む…
炎の爆ぜる音と共に後方からは人々の断末魔の悲鳴が響き渡る…先程までの美しき妖精の森は地獄の様に変わり果てていた…
「ニィ…暖かな鳥籠はもう無いよ…
世界を知るために飛び立った小鳥が掴む枝は君のものかな…それとも…」
炎は大樹にも燃え移り森に広がる頃には断末魔の叫びは消え…
「マスター終わりました…」と声がかかる
「なら一度帰るか……はあ…つまらない…早くリアの所に行きたいのになぁ…
またねリア直ぐ会いに行くからね…」
その声と共に青年達の姿は森から消えていた…
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