深夜、ひとり

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深夜、ひとり

 何時間寝ただろうか、私は目を覚ました。  お酒が抜け切っていない。水を飲もうと立ち上がると頭が痛んだ。スカートにシワがよっていたので脱いだ。化粧もとりたくて、シャワーを浴びた。  ドライヤーをしている時、「私から好きだと言おう」と思った。  大人になれば、告白もなく始まる付き合いもあるけど。  昔、まっすぐ告白してきた彼に対して、誠実でいたかった。  千早君が私を大事にしてくれるように、私も彼を大事にしたい。    すっきりした気持ちで脱衣所を出る。  しん、とした部屋が寂しくて、テレビをつけた。内容は何でもよかった。人の声がすると安心する。  そうだ、スマホはどこだろう。  バッグの中を探すけど見当たらない。最後に見たのはいつだっけ、お店で写真撮って、それで……忘れてきたのだろうか。  タクシーに忘れた線もあるな、と思っていると。  それまでBGMだったテレビの内容が、不意に耳に飛び込んできた。
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