仕事と推し

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 それまで元カレに送っていた日々の感情はTwitteにつぶやくようになった。 「上司、全然消毒手伝ってくれない。  私の手荒れがうつればいいのに」 「理想の朝食食べたい。トーストと目玉焼きとサラダ、コーンスープ、カフェオレにヨーグルト」 「てか人の作ったごはん食べたい」 「スーパーの惣菜飽きたー!  でも20時以降の割引シールはお財布に優しいんだよなぁ」 「ジアン君マジ性格も良い。元カレと段違い。比べるのが申し訳ない」 「彼女できたらきっと大事にしてくれるよね」「水族館デートしたい」  推しを想って生きるのは楽しい。  そのくせふと、「このまま1人なのかな」と思うと寂しさもよぎる。長年の恋人をなくした喪失感は大きかった。  だけど、運命の出会いが訪れた。  しとしとと雨が降る夜。私は帰り道で「ジアン君と相合傘したら目線はこのくらいかな」なんて妄想をしていた。  そして人にぶつかった。  よろけた私は、倒れそうになるのを引っ張られ、助けられた。 「あ、ありがとうございます」 「すみません、大丈夫ですか?」  私は相手の顔を見て固まった。  夢でも見ているんじゃないかと思った。 「……ジアン君?」
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