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〇:「あの人、来ないかな…」
■:「誰の事ですか?」
〇:「!?びっくりした!」
■:「驚かせてしまってすみません。でも、雨の声を聴いていないなんて、めずらしいですね。」
〇:「どうして分かったんですか?」
■:「遠くを見ていたから。いつもは目を閉じているので」
〇:「そうですね。」
■:「誰を、待っていたんですか?」
〇:「…分かりません。」
■:「分からない?」
〇:「はい。あなたかもしれないし、あなたでないかもしれない。」
■:「僕は、僕だったら良いなと思いますけどね。」
〇:「…。」
■:「…。」
■:「夢を見ました。多分、あなたの夢。」
〇:「私の夢?」
■:「はい。あなたが大切な人をなくして、泣いていました。」
■:「そして、このかけらは、その人自身でした。」
〇:「…なんとなく、そうかなって思っていました。」
〇:「そのかけら、少し貸していただけませんか?」
■:「どうぞ。」
星のかけらを〇に渡す。
〇は星のかけらを両手で包み込んだ。
〇:この感じ、覚えてる。
〇:あの人だ。
〇:私は、あの時…
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