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 目が覚めると、俺は知らない部屋にいた。  身動きが取れない。俺は自分の体に目をやる。  白いベッドの上、俺はパンツ一丁で、縛り付けられている。パンツはアメコミ柄がプリントされたド派手なトランクス、確かにこれは俺の私物だ。だがそれより重要なことがあった。  俺の体に巻きついていたのは、黒光りするぶっとい鎖だった。鎖は俺の体を酷く圧迫しない程度、しかし体勢を変えることはできないような、絶妙な締め付け方で巻き付けられている。 「なんっ……なんだ……これは」  俺は呻く。前日の深酒が祟ったのか、掠れ声しか出ない。  そうだ、深酒だ。昨日は行きつけのバーでしこたま飲んだくれたかったはずだが、まだ短縮営業を終えていないとかで、十時には追い出された。その後、知らない店に繰り出して、そこでも飲んだ。だがその先の記憶がない。 「俺は……どうしたんだ?」  俺がただならぬ状況に置かれていることは、そろそろこの俺の二日酔いの頭でも理解できるようになっていた。知らない店で出会った女と意気投合して良い仲になったとか、だがその女がS嬢だったとか、そういうシチュエーションは連想できるが、だが生憎、記憶が全くない、記憶の欠片すらない。  その時だった。
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