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遅刻だ、遅刻だ、遅刻した!
じりりりりりりりりりり!
派手な目覚まし時計が鳴り響き、私はがばりと身を起こした。時計は七時丁度で鳴っている。やばい、と青ざめた。学校に行くためには、七時半には家を出ないといけないというのに!
「お母さん、何で起こしてくれなかったの!?」
急いで制服に着替えて部屋を飛び出せば、母と弟と父がのんびり朝食を食べている。
母は父と顔を見合わせたあと“何度も起こしたわよ”と呆れたように言った。
「でも全然起きなかったじゃない、アリサちゃん。仕方ないから、今日はもう諦めて学校に遅刻するつもりなのかと」
「そんなわけあるかい!」
私は朝食のヨーグルトだけ食べると、鞄にスマホと財布をねじ込んで飛び出した。歯磨きするのを忘れたが、もうこれは学校についてからやるしかあるまい。
「行ってきまああああああす!」
遅刻だ、遅刻だ、大遅刻だ!
とにかく始業に間に合うように、ダッシュで高校へ向かわなければ!
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