ヤクザと花屋

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それで完全に萎縮したせいで今度こそ全員が視線を下にしてしまい「せめて警察に連絡を」という望みも砕かれる。 「嫌だっ、離して!離してください!!」 もう自分で何とかするしかないと抵抗する美祐にいい加減苛立ったのか、ガバッと抱き込むと男が低い声で耳打ちしてきた。 「おいっ、お前調子に乗んなよ。コイツらの前で、()()にしてやろうか?あ?!」 男の息が耳に掛かり、その気持ち悪さにゾワゾワと全身に悪寒が走った。 それから漸く言葉の意味を理解し美祐は顔面蒼白になる。 ―人前で、裸にされるってこと?そんなの絶対に嫌!! 「そんなの嫌です。お願いです、やめてください」 美祐は力なく訴えた。 これ以上この男を刺激し怒らせれば、本当に皆の前で全裸にさせられる可能性がある。
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