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相手の男はチッと舌打ちだけして「時間ねぇんだ。直ぐに済ませろよ」と言った。
その様子から、とんでもない男に目をつけられてしまったことが分かる。
「嫌っ!!」
「逃げるんじゃねぇ!このクソがっ!!」
「ッ!!」
美祐は男を振り払い逃げようとしたが体格差から上手くはいかず、口を抑えられ恐れていた事に腹部を軽くグーで殴られてしまった。
男からすれば大して力を入れていないのかもしれないが、華奢な美祐の薄い腹への衝撃は十分で、痛さと苦しさのあまりそのまま動けなくなってしまう。
―痛い、お腹痛いよ…。なんで?私、お花持ってきただけなのに。
ポロポロ涙を溢し痛みに耐えながら僅かに抵抗したものの、それはただ首を力なく左右に振る程度だった。
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