ヤクザと花屋

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男は美祐の身につけていたエプロンを勢いよく剥ぎ取ると、次にシャツを力任せに左右へ引っ張った。 ボタンが無惨に飛び散ったが、その行方を気にする余裕など無い。 「イヤだ!!やめてっ!」 両手で必死に押し返そうとするものの、男の巨漢はビクともしない。 むしろ抵抗するだけ楽しませているようでもあり、男は美祐の細い腕を掴むといやらしく笑いベロリと指を舐めた。 その余りの気持ち悪さに全身に鳥肌が立ち、血の気が引いていく。 ―もうダメだ。 そう思った瞬間、自然と涙が溢れ出て来て視界が霞む。 泣いている場合じゃない―そう頭で分かっていても体は押さえ込まれて全く動けない。 絶望感から嗚咽を漏らす美祐に構うことなく、男が首筋に顔を埋めた時だった。 バターンッ!!と勢いよくドアが開かれた。
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