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 家族はずっと母と二人。  その母も、仕事で忙しくしていたから一人でいることの方が多かった。    笑顔で囲まれる温かい家庭に憧れていた。  テレビで仲良さそうな家族の姿が映し出されるたび、羨ましくて仕方がなかった。  性格のせいか友だちと呼べる人は少なく、母子家庭ということで、勝手におかしな噂を流されることもあった。  人を信用するのが怖くなり、次第に自分から一人でいることを選ぶようになる。  その頃には、もう家族なんてどうでも良かった。
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