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母が再婚を決めたのは、
詩祈
(
しき
)
が高校2年になる頃だった。 父は幼い頃に亡くなり、祖父母も他界していた。 父母共に兄弟はいないから自分が何かあった時に頼れる人がいるといいと、母は言う。 そんなことのために再婚するなら反対だと伝えれば、照れくさそうに笑った。 「詩祈の次に、大切な人なの」 そう言われて、反対する気はなくなった。 「母さんが幸せなら」
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