ひみつの消しゴム

　そう自分の中で折り合いをつけたはずの翌日だが、私の中の蟠りは消えていなかった。それどころか段々と酷くなっている気がする。しーちゃんの笑った顔にすら胸の奥がぎゅっとなってしまう。
　そんな一日を過ごした帰り道、いつものようにしーちゃんと帰っていると、河川敷でしーちゃんは突然、少し休んで行こうと言ってそこに腰をかけた。しーちゃんは突発的にいつもと違うことをよくするし、その度楽しい事しか起こらない為何の違和感も持たずに私はうんと言ってしーちゃんの隣に座った。夕方の色が川に反射して水面がキラキラと輝いている。海の色は何故青いという質問に空が青いからと答える人はきっとこんな光景を見ているのだろう。遠くでは下校途中の小学生がワイワイはしゃいでいる声が聞こえる。私たちもあんな感じだったな。いや、しーちゃんのおかげで今も変わらないか。