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「ひみつの消しゴム」
その事を突然思い出したのは、登校前部屋で探し物をしている時だった。それまですっかり忘れていたのに、それを見つけた瞬間フラッシュバックしたように全てが思い出された。机の奥さえ漁らなければ、閉じ込めたはずのその忌々しい白い塊に再び悩まされることはなかったのに。
彼女の名前は河辺咲子。私はいつも「しーちゃん」と呼んでいる。この呼び方は出会った時から変わらない。他のクラスメイトは「しょうちゃん」と呼んでいるが、私は少し違うニックネームで呼ぶ。その方が特別感があっていいからだ。
しーちゃんもまた、私の事をあーちゃんと親しみを込めて呼ぶ。私の名前は藍子で、みんなからは「あい」とか呼ばれるけど、しーちゃんだけはずっと「あーちゃん」だ。
そんな私たちは小学一年の頃からの仲良しで、人当たりの良いしーちゃんとは違って人見知りの私はいつもしーちゃんと一緒にいた。意地悪な子たちの中には私を「金魚の糞」なんて呼ぶ子もいたけど、しーちゃんは私の事を可哀想な子でなく大親友と言ってくれた。時々喧嘩もするけれど、直ぐに仲直りして次の日に引っ張ったりはしない。
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