第9章 淫乱なキラ

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第9章 淫乱なキラ

水底さんと自分自身のそれぞれの将来の行く末にもやもやとしたものを感じつつも。特にこれといった行動も起こせずに、そのままの日常がだらだらと過ぎていった。 月に一度くらいの間隔で、わたしをみんなの前で慰みものにする祭事はその後も相変わらず続いていた。 水に睡眠薬をこっそり仕込ませて騙し討ちにするのはやめてくれとあのあと再三要求し、言質を取るまではもうお屋敷で水は絶対に飲まない。と言い張ったらやっと、双子は以降その趣向を取り下げてくれた。 「柚季にも、スリルがあってあの方が楽しめると思ったんだけどなぁ。いつ眠らされてみんなの前で裸にされてるかわからないと思うと。うちに来るごとに期待でぞくんと身体が疼いて、あそこがいつでもたまらなくずきずきしちゃうでしょ?」 漣さんに変態ぽい口調で煽られたけど。相手の見え見えの挑発には動じず頑として首を横に振る。 「心の準備ができてるかできてないかで言えば、絶対にできてる方がいいです。今日はあれがあるんだ、って最初からわかってる状態でここに来る方が断然まし。不意打ちだと身体も心も、状況に適応できるまで無駄に長く時間がかかっちゃうし。こっちは結構大変なんですよ」 逆だったらどうなんだろう。男の人だって目が覚めたら裸で縛られてて、人前でセックスしなきゃいけない流れになってたら…と途中まで想像しかけてから馬鹿馬鹿しくなってやめた。 相手が綺麗でセクシー、サービス満点な床上手の女性だったら(そして、周りの観衆が気心の知れた仲間だったら)。…そりゃ、単に燃える趣向だとしか思わないのかも。 人によるってのが結論だとは思うが、男女差もさることながら。漣さんや凪さんみたいなタイプの男性なら、そのくらいで簡単に凹んだりやる気が失せたりするようなことはなさそうだ。わたしの気持ちが理解できるようになることはおそらく永久にないだろう。 そう思って半ば諦めてたが、ありがたいことに思ってたより真面目にわたしの抗議を受け取ってくれたらしく、以後不意打ちの睡眠薬はなくなった。 どんな効果があるのか実感できたことはないが(念のため避妊、だったのかもしれないが。実際に羽目を外して挿入されちゃったこととかはないから、どのみちそれを確かめる術はなかった)、わたしが湧き水を飲むのをやめる。と宣言したのが効いたのかもしれない。 だけどその代わり、週末の前日に明日は例の会を開催するよ。と事前に知らされるようになった。知った瞬間からもう気が重いが、ちゃんと前もって教えろ。と要求したのはわたしなので文句も言えない。その上新しい趣向が祭事のオープニングに付け加えられることになってしまった。 しっかり意識のある状態で、水底さんに手助けされてシャワーで隅々まで身体を清められる。それからしっかり例のチョーカーを付けるよう念を押され、いつもの透け透けの白くて短いシャツのような薄物を素肌に羽織らされて。ドアの前で水底さんに励まされて送り出された。 「頑張ってね。…早くさっさと無事に終わらせて。あとはいつものように二人で楽しく過ごして、朝までゆっくりしましょ」 「うん。…ありがとう」 抱き合ってキスを交わす。冷静に考えてみると、双子より岩並くんより。今はこの人がよほどわたしの恋人みたいに思える。 それから、扉の内側で待ち構えてた双子の手に引き渡される。ステージの上にあげられて、照明を当てられて。みんなの前で自ら全てを脱ぐよう求められた。 「ほら、恥ずかしがってないで。…ちゃんと心の準備して、その気になって来たんでしょ?みんなの前で、裸になってエッチなことされて。びくびくいくとこ全開で見せつけるつもりで。あそこ火照らせてたんでしょ、昨日からずっと?」 と、息を呑んで見守る少人数の観衆の前で言葉で嬲られて。羞恥で身体をくねらせながら何とか薄物を脱ぎ捨てる。それから自分で後ろ向きで四つん這いになって腰を持ち上げるよう言われたり、脚を開いて奥まで見せつけるよう言いつけられたりして。赤くなったり青くなったりしながら仕方なくその指示に従った。 ステージの前に押し寄せて目を爛々と輝かせる村の若者たちの声が耳を打って、あの部分をずきずきと疼かせる。 「誰にも何もされてないのに。…もう、あんなに。濡れてる…」 「首輪付けられて四つん這いで言いなりにあそこ見せつけて。…あんなのもう、雌犬じゃん…」 「いやらしいな、自分から大開脚しちゃって。わたしの恥ずかしいとこどうか見てください。ってか」 「…どうだ、柚季。自分であそこ開いて見せるのって。ぱっかり開いてこれ見よがしにひくひく蠢いてるぞ。実は結構こういうの好き?やっぱり、いざやってみると。意外と感じちゃうのか?」 「そんな。…こと…」 横から口を挟んできた漣さんがひょいと手を股間に伸ばしてきて、くいとみんなに見せつけるようにそこを押し開く。途端にそこからだらだらと熱いものが滴り落ちて。自分の意思じゃ、全然。止められそうもない…。 「あっあぁっ、やめて。…いたずら、しないで…」 「何かっこつけてんだ、今さら。…この口はそんなお上品じゃないみたいだな。もっと弄って、中に指挿れてって。ぱくぱく動いて、勝手に喋ってんぞ…」 そう口では言うくせに。全然、蕾も入り口にも。指先でほんの少しすら、わざと触れてくれないんじゃん…。
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