花琳のバレンタイン

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「で、できた……?」 「うん!姉さん、完成したよ!やったー!」  海奈が元気に喜びながら、私にハイタッチしてくる。 「姉さん、ほんと頑張ったな!今まで作った料理の中で1番美味しそう!!」 「ほ、ほんとに……?」  私は完成したチョコを見た。不格好な形をしているし、お世辞にも美味しそうなんて言えない。でも、海奈はニッと笑って頷いてくれる。 「うん!だって、こんなに気持ちがこもってるんだぜ?美味しくないわけないって!!」  気持ちが、こもってる……。  ……そうね。きっと、誰よりも白雪くんのことを想って作れたはず。この気持ちだけは、誰にも負けない。 「白雪さん、絶対喜んでくれるよ!明日、頑張って渡そうな!」 「……うん!」  白雪くん、喜んでくれるかな。美味しいって言ってくれるかな……。そんな淡い期待をしながら、私はしっかりと頷いた。
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