花琳のバレンタイン

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* * *  翌日、誰よりも早くチョコを渡したくて、朝ごはんを食べた後、すぐに白雪くんの部屋を訪ねることにした。  部屋を出る直前、海奈に 「姉さん、自信持って渡すんだぞ!絶対大丈夫だから!」  と、背中を押してもらったからか、不思議と安心してる。前までの自分だったら、恥ずかしいやら自信が無いやらで、心臓がバクバクしてたかも。  ……私、成長できたのかな。  自分に自信が無くて、落ち込むことばっかりで、泣くことだって少なくなくて……その度に、海奈や仲間に助けてもらってきた。  その癖、白雪くんのことだけは諦めきれなくて……片思いを拗らせて、何年も何年もグダグダと悩み続けてて……。そんな私が変われたのは、海奈や柊ちゃんが背中を押してくれたから。  そして……白雪くんが私の気持ちを受け止めてくれたから。  みんなが私を助けてくれたから……私、ここまで成長できたんだ。  あとは、私が頑張るだけ。勇気を出して、一歩前に進むだけ……。  よし、頑張って渡そう。  深呼吸をして、私は廊下を歩き……白雪くんの部屋が近づいてきた時、白雪くんの家のメイドさんが、彼に大きな紙袋を渡しているのを見つけた。
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