花琳のバレンタイン

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「花琳、ありがとう。チョコも、メッセージも……本当に嬉しかった」  白雪くんはそう微笑むと、メッセージカードの裏側を愛おしそうに見つめた。そこには……私の字で、大好き。と、書かれている。  気づいてくれたんだ……。そう幸せを噛み締めていたのも束の間、彼の言葉が、私をびっくりさせてしまう。 「他の誰に貰うより、君から贈り物を貰えたことが一番の誕生日プレゼントだよ」  ……え? 「た、た……誕生日!?」  嘘でしょ!?私、何も知らなかった!!あ……もしかして、あの紙袋の中身も、全部誕生日プレゼント!?  ど、ど、どうしよう!私、何も準備してない!!! 「ご、ごめん白雪くん!私、知らなくて……何か、欲しいものとかって……」  白雪くんは、少しキョトンとしていたけど……やがて、少し悪戯っぽく笑った。 「じゃあさ……」  アワアワしているうちに、白雪くんは私の横髪をかきあげ……。  ちゅっ 「……え?……えぇっ!?」  今……ほっぺに……!!私が顔を真っ赤にして、口をパクパクさせていると、白雪くんは人差し指で私の唇に触れ、無邪気な笑顔を見せた。 「来年は、ここね?」 「っ~!も、もう!白雪くん!!」 「あはは!君の可愛い顔が見られるなんて……素敵な誕生日になったよ」 「もー!揶揄わないでよ!!」 「ごめんごめん。でも、来年も楽しみにしてるね?」  そう言って、優しく微笑む白雪くん。私はまだ恥ずかしくて、胸がドキドキしてるけど……。  それでも、来年も一緒に過ごしてくれるんだ。そう思ったら、嬉しくて頬が緩んでしまう。  私も、同じ気持ち。来年も、再来年も……この先もずっと、傍にいさせてね。そんな気持ちを込めて、私も彼に微笑みを返した。
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