5人が本棚に入れています
本棚に追加
「花琳、ありがとう。チョコも、メッセージも……本当に嬉しかった」
白雪くんはそう微笑むと、メッセージカードの裏側を愛おしそうに見つめた。そこには……私の字で、大好き。と、書かれている。
気づいてくれたんだ……。そう幸せを噛み締めていたのも束の間、彼の言葉が、私をびっくりさせてしまう。
「他の誰に貰うより、君から贈り物を貰えたことが一番の誕生日プレゼントだよ」
……え?
「た、た……誕生日!?」
嘘でしょ!?私、何も知らなかった!!あ……もしかして、あの紙袋の中身も、全部誕生日プレゼント!?
ど、ど、どうしよう!私、何も準備してない!!!
「ご、ごめん白雪くん!私、知らなくて……何か、欲しいものとかって……」
白雪くんは、少しキョトンとしていたけど……やがて、少し悪戯っぽく笑った。
「じゃあさ……」
アワアワしているうちに、白雪くんは私の横髪をかきあげ……。
ちゅっ
「……え?……えぇっ!?」
今……ほっぺに……!!私が顔を真っ赤にして、口をパクパクさせていると、白雪くんは人差し指で私の唇に触れ、無邪気な笑顔を見せた。
「来年は、ここね?」
「っ~!も、もう!白雪くん!!」
「あはは!君の可愛い顔が見られるなんて……素敵な誕生日になったよ」
「もー!揶揄わないでよ!!」
「ごめんごめん。でも、来年も楽しみにしてるね?」
そう言って、優しく微笑む白雪くん。私はまだ恥ずかしくて、胸がドキドキしてるけど……。
それでも、来年も一緒に過ごしてくれるんだ。そう思ったら、嬉しくて頬が緩んでしまう。
私も、同じ気持ち。来年も、再来年も……この先もずっと、傍にいさせてね。そんな気持ちを込めて、私も彼に微笑みを返した。
最初のコメントを投稿しよう!