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俺が足を止めて振り返ると、そこに居たのは……顔を赤くして、体をガチガチに固めて突っ立ってる深也だった。
「深也……どうしたんだよ?顔色悪いぞ?」
「え、そ、そんなことない……だ、大丈夫……大丈夫だ僕……」
ブツブツと自分に何か言い聞かせてる深也。やっぱり、何かあったんじゃないか……?っていうか、目が全然合わないんだけど……俺の事見えてるのか?
俺は心配で、思わず深也の肩をポンポン叩いた。
「おーい、大丈夫か?」
すると、深也は肩をビクリとさせ、目を丸くしてこちらを見た。
……やっと目が合ったな。
「ひぇっ……!?な、な、何?」
「それはこっちのセリフだよ。何か用があったから、俺のこと呼び止めたんだよな?」
「あ、う、うん……こ、これ、海奈に!!」
深也は目をギュッと閉じて、俺に勢いよく小さな袋を押し付けてきた。
深い青色の袋に、白いリボンがついてるラッピング。なんかオシャレだな……。まるで、プレゼントみたいだ。
「ありがとな……で、何が入ってるんだ?」
「……チョコ、作ったんだ」
「チョコ……?」
一瞬不思議に思ったけど、すぐに気づいた。今日は……バレンタインだ。
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