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お姉さんはコソリと言って、悪戯っぽく笑う。
「すごい……上手くいくといいですね!」
そう言って、目を輝かせる燕さん。
義弟さん……どんな人なんだろう。でも、成功するといいな。
青い薔薇の花言葉は……確か、『奇跡』とか『夢が叶う』だったはず。きっと、それだけ本気なんだから。
「ふふ。ありがとうございます。あ、お客様のお花も準備しないと。どなたにプレゼントされるんですか?」
お姉さんの質問に、燕さんが顔を赤くする。
「え、えっと……恋人に……」
「なら、赤い薔薇がぴったりです。薔薇は本数によっても意味は変わるんですが……」
お姉さんはそこまで言うと、燕さんを見て優しく微笑んだ。
「9本で、『いつもあなたを想っています』という意味になるんですよ。いかがですか?」
「いつも、あなたを……」
燕さんは頬を染めて俯いてしまう。きっと、照れてしまってるんだろうな。
「燕さん」
ボクは、彼女の背中に手を添える。燕さんが、前へ踏み出せるように。
「大丈夫ですよ。きっと、聖夜さんも受け取ってくれます」
「ホープ君……うん。そうだね」
燕さんは微笑んで、お姉さんに頷いた。
「赤い薔薇を9本。花束にして頂けますか?」
「はい。喜んで。少々お待ちくださいね」
お姉さんは微笑みながら、薔薇を9本取って、花束を作り始める。
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