5人が本棚に入れています
本棚に追加
* * *
翌日、私はチョコとマカロンを手に特殊戦闘部隊中央支部の黒い建物にやってきた。
病気の治療のために特部を抜けてからは、兄の聖夜に用事がある時ぐらいしか来てないから、なんとなく緊張しちゃう。
「こんにちはー……」
玄関に入って、とりあえず挨拶してみるけど……誰もいないみたい。オペレーター室に行ったら、支部長の琴森さんに会えるかな?そう思って、なんとなくオペレーター室に向かって歩いてみる。すると、角を曲がった所で誰かにぶつかってしまった。
「うわっ!?ご、ごめんなさい……って……」
慌てて頭を下げて、その後で相手の顔を確認すると……そこにいたのは、私が会いたかった男の子だった。
「翔太くんだ!」
翡翠色の長い髪を一纏めに結んでいる、女の子のような髪型。そして、長いまつ毛と切れ長な目。相変わらず美人さんだったけど……。
「ちょっと、身長伸びた?」
「出会い頭に何言ってんだお前は……」
翔太くんは呆れた様子でため息をつく。でも、本当にそう思ったんだもん!明らかに目線が高くなってるよ!!前までは私とそんなに変わらなかったのに……もう、少し見上げなきゃ顔が見にくい。いつの間に伸びたの!?
そう反論しようとして、彼が特部の黒い制服姿なのに気がついた。
「……もしかして、これから任務?」
最初のコメントを投稿しよう!