柊のバレンタイン

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「……柊?」  何も言えずにいた私を気遣って、翔太くんが心配そうに声をかけてくれた。  翔太くん、やっぱり優しいな。そんな優しいところが、私には心地よくて、大好きで……。その優しさに触れる度、胸が温かくなる。不思議と、笑顔になれるんだ。 「……大丈夫!受け取ってもらえて嬉しかったよ。ありがとう!」  そう明るい笑顔を向けると、翔太くんはまた顔を赤くして……ふいっと顔を背けてしまった。 「あ、ああ……それより、そっちの箱は誰にあげるんだ?」 「え?あ、これは中央支部のみんなで分けて欲しいの!みんなにはお世話になったからさ」 「そ、そうか……なら、談話室に寄っていけ。任務に出てたのは俺だけだから、みんなそこに居ると思う」 「ほんと!?じゃあ、一緒に行こ!」  私はそう言って、翔太くんの手を引く。 「お、おい……引っ張るな!」 「あ、ごめん!手、痛かった?」  私が慌てて手を離すと、翔太くんは顔を赤らめたまま、再びそっぽを向いてしまった。
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