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イラッとしたように、荻田博士は。
「それがね、パイロットをいや宇宙飛行士を
こちらで調達しなければ成らなくなったんだよ」
大滝はプッ!とそばを吹き出した。
そして、ティッシュで慌てて口の回りを拭き、
机に飛んだ汁を拭くと。
「ダメダメダメ!無理!火星でしょ。
何年かかるんですか?俺に行けってですか?
嫌です!」
「君〜!分かっているのかね!この発酵菌研究所の、存続がかかっているんだよ。
業突張りフーズから再三、業務提携と言う吸収合併を打診されているんだよ。
この計画が倒れたら、この研究所が無くなるんだよ」
すると、平然と大滝は、
「ああ〜、良いっすよ。正社員なら」
と答えた。
そこでイライラの爆発した荻田博士は。
「君には!夢がないのかね!人類の夢だよ!
業突張りフーズになったら、毎日納豆菌と酵母菌の研究しか出来なくなるんだよ。
我々は科学者だ!地球の食卓よりも、宇宙に目を向けて。人類の行く末を考えるべきではないのかね!」
「地球の食卓も大事ですよ〜」
「煩い!お前は、食う事しか頭にないからな!」
「地球の食卓も大事だ!あなただって、家に帰ったら。今日のおかずは何だろうかとか、
ああ〜、良い味噌汁だとか思うでしょ!」
「ワシは最近遅いから、いつも冷えたおかずをチンしている。お蔭でレンジの達人になった。
最初の頃は焼き魚を爆発させて、レンジの掃除を延々とやらされた」
「そりゃ駄目だ。ちゃんとラップをかけなきゃ。それとお皿も重要ですよ、ワット数もね」
「煩い!お前より上手だ!お前にレンジの、
レクチャーを受ける必要はない!黙って火星に行け!」
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