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「嫌ですよ!1年かかるんでしょ!バカバカしい」
そこでホッとしたように、荻田博士は笑顔になり。
「大丈夫だよそれは。何と半年で帰ってこれる。宇宙ロケットなんねのはね、ちょっとしたきっかけで、ガンガン発達するからね。
うん?どうだ?半年の出向ボーナス出るよ〜
ボーナス。しかも歴史に名が残るよ〜」
ボーナスと聞き、真剣に考える大滝でしたが。不貞腐れる様に、
「ところで、どんな物ができたんです?」
と聞いた。すると興味を示したかと、
「それがね凄いんだよ?火星環境でも増え続ける納豆菌を開発したんだよ」
「また納豆ですか?俺は関西人なんで、
納豆嫌いなんですよ」
「嘘を付け!九州人だろ!
この前の実験を、まだ根に持っているのか。
あの実験で使った納豆菌だ!あっ!そうか、
君は既に神だよ。君の納豆菌が火星を地球環境にするのだから」
「でも、やっぱり嫌です。半年もいなくなったら、折角友達になった、よしえちゃんとも会えなくなる」
「なんだ、彼女か?」
「いえ、まだ。この間、飲みに行ったキャバクラの女の子です」
「バカ野郎!唯の客だ!騙されて同伴してるんだろ!デートとか嘘つかれて!」
「違う!よしえちゃんはそんな娘じゃ無い!
優しいし、店でも目立たなくて、辞めたいって言ってるんだ!」
「アホ!皆に言ってるよ!
はぁ〜、不毛だお前と話しても不毛だ」
荻田博士は疲れて言葉が無くなりました。
すると大滝は、
「博士、ボーナス出るって言いましたよね。
良い人材がいるのを、思い出しました」
と言った。博士は諦め顔で、
「誰かね」
と聞いた。
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