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だが、それでもペースト状の宇宙食よりは、マシだった。倉庫を見ると、大量のカレーのレトルトがあった。
成る程、カレーの他、牛丼、親子丼、麻婆丼のレトルトもあった。
成る程、どんぶりパーティーだな。冷凍食品もあった。マイナス40度の冷凍庫があり。
それで半年は冷凍保存出来るが、解凍が大変なので。食べる12時間前に、キャビンに出しておけと言われた。12時間では解けなかった。
普通の冷蔵庫があったので。前日にそちらへ移動。そして室温で解凍と言う段取りになった。
何だか、訳の分からないミッションになってきた。最初の1ヶ月は、何だか興奮状態で地球とも無線連絡が出来ていたので、楽しんでいた。可能な限りテレビ番組を送ってもらって、観ていた。
その手の圧縮通信は可能だった。大したものだ、我々の日常は大した変化もないのだが。
宇宙開発は、とんでもない進歩だった。
まるでSFだな、と思った。
最も驚いたのが、この宇宙船には人工知能が搭載されていた事だ。
元はスーパーコンピューターのグレイスの端末ロボットだった、メグとか言う物を、下取りして付け替えたのだと言う。
名前はマーズと言う名前だった。だが自分はメグと言い張った。そして私を、安雄と呼んだ。私は相原一也だ。断じて安雄ではないが。こんなやり取りを、半年も続けたくなかったので諦めて。安雄になり、メグと呼んでやった。
時々ハグしてと言うので、冗談でコンソールパネルに抱きつくと。船が一回ロールをうつ。
果たして、私のせいなのか、メグが喜んで一回転するのかは不明だった。
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