納豆を撃て!

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 地球からの連絡は、週に一回になっていた。私は孤独になってきた。この船には人工重力は僅かしか無かった。だから飛び上がるとゆっくりと床に落ちる感じだ。 ロールをうっても大丈夫。天井にぶつかることは無い。  だが3ヶ月の航行で、荷物に隙間ができ倉庫の食品がでんぐり返った。  それを1日がかりで整理した。冷凍庫の扉が壊れて、開けっ放しになり。冷凍庫内のマイナス40度の冷気が倉庫内を、マイナス20度まで下げ、決死のミッションだった。  ガムテープで扉は直した。月の落下事件のアナウンサーが言ってた事が分かった。  ゼニックはガムテープが好きだ。万能だと思っているのかも知れない。よく見ると薄くゼニックのロゴが印刷されてあった。  こいつらはアホなのかも知れない。  私の肝心要のミッションは、4ヶ月の飛行で火星に到着し。そして荷物を火星に射出する事だ。かなりのスピードで到着するので、大回りに周回軌道を回るとの事だった。  そして火星の重力を使って、更に加速して地球へと向かうのである。  荷物射出のタイミングは35回あり。射出回数は10回。余裕のミッションだった。  だが素朴な疑問?メグがいるのなら、完全自動でメグにやらせれば良いものを。  何故、人が乗る必要があるのだろうか? 科学者や技術者なら不測の事態に対応出来るが。私は唯のコンビニのアルバイトである。  しかも大学は、政治経済を専攻している。 まったくのミスマッチだ。  だが地球の歴史に名が残せるとか、帰って来たら芸能界デビューも有り得ると。おだてられ、私は何だかいい気になってしまった。
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