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銀髪に青い目、妖精のように美しい王妃セレーネ。
いや、正しくは元妻、元王妃だ。
「なぜ、王妃でなくなったお前が、ここにいる!」
「国王陛下にお会いするため、王宮へ戻って参りました」
賢く美しいセレーネ――侯爵令嬢だった彼女は幼い頃から、評判がよかった。
王妃にするには申し分ないと思ったから、自分の妻に選んだのだ。
だが、次代の王を身籠ったのは彼女ではなかった。
「セレーネ……」
今の俺の妻(王妃)、デルフィーナは驚き、言葉を失っていた。
デルフィーナは赤い髪と赤茶色の瞳、気の強さが顔に出ているが、美人だ。
彼女には、セレーネのように特別なものは感じなかったが、セレーネと違うからこそ、惹かれるものがあった。
「デルフィーナ。驚いているけれど、私が王宮に戻らないと思っていたのかしら?」
――その通りだ。まさか、数年経って目の前に現れるとは……
セレーネがデルフィーナに微笑む。
デルフィーナも負けてはいない。
「わたくしは王妃なのよ。なれなれしく口をきかないでちょうだい。今さら戻ってきて、いったいなんのつもりかしら」
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