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階段を下りて、ダイニングに行くと、お父さんが新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた。
「おはようお父さん」
すると、私に気づいたお父さんがふわっと顔をあげて、
「おはよう桜花。今日は入学式だよな?」
「そうだよ。お父さんはお仕事休みなの?」
首をかしげながら聞くと、お父さんは頬を緩ませて、
「ははっ、可愛い愛娘の入学式に休まないでどうする。制服似合ってるぞ」
なんて、優しい笑顔を浮かべた。
「ありがとう!」
お父さんはお仕事が忙しいらしく、最近家にいないので、朝はお母さんと二人きりが多い。
小さい頃、お父さんに『なんのお仕事してるの?』って聞いても、
『大きくなったら教えてやるよ』って毎回誤魔化されるだけなので、私も途中で聞くのをあきらめてしまった。
愛娘って言いながらも自分の職業を教えない理由は今でも不明だ。
私の予想だと...多分、普通の会社員。
いわゆる、サラリーマン?だと思う。
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