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その頃から僕も働きはじめた。   まるで、憑き物が落ちたかのように 非行をやめ、真面目に働いた僕 姉もびっくりしていたが、 「もう姉貴からは卒業しないとな」 と社会人としての自覚を持ったセリフを吐いて、姉を感動させた。 そのうち、ボロアパートからも出ていき たまたま出会った2歳下の彼女と付き合い 結婚して3人の子供にも恵まれた。 僕の奥さんは 姉に似ており、美人であるが 両親の会社が潰れ苦労してきた 苦労人であった。 姉は結婚する際に少し心配していたが、 僕は、姉さんに散々迷惑かけたから、 罪滅ぼしじゃないけど、同じような境遇の人を救いたいんだと話すと、 涙ながらに納得してくれた。
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