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僕達家族と姉の関係は良好であった。
ただ、申し訳ないと思うのが、
子供達が姉に非常に懐いてしまい、週末の度に遊びに行くため、姉に彼氏を作る時間を減らしてしまっていることだった。
姉は笑って気にしないそぶりをしていたが
結婚するのには適齢だ。
姉は歳をとっても
相変わらず美しい。
その頃、僕達家族は
妻の両親の背負った借金を
抱えてしまい、途方に暮れていた。
元々少し病みやすい気質のある
妻は鬱病が発症し、
引きこもるようになってしまった。
元はと言えば僕が
妻の両親を助けたい一心で
借金の保証人になってしまったのが原因なのだ。
妻によりそい精神科に通い
妻の生い立ち等を話して、
なるべく楽になる薬を処方してもらった。
その間、当然家事は出来ないので
近くにいる姉を頼った。
僕は「ごめん」と謝ると
姉は、微笑んで許してくれた。
母性本能は相変わらずのようだった。
そんななか
薬による幻惑作用で
妻が道路に飛び出し車に引かれて
即死した。
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