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「──で、具体的にどう調べるんだヨ」
呑気に鼻歌を再開する『髪長』を尻目に、『マイア』は舌打ちを打って腕を組む。
「お題に則した共通点……キーアイテム
って言ってましたね……」
と、『オーロラ』は眉を曇らす。
ここにきて『オーロラ』の発言が目に見えて多くなってきた。極度の引っ込み思案に見える彼だが、尻込みしたまま道連れにされるくらいなら──という気らしい。おっかなびっくり、ところどころつっかえながら口を動かした。
「これ、このゲーム、前提としてなんですが、さっきのゲームで自分が何者かわかってないといけないと思うんです」
そうだな、と『灰かぶり』が頷いた。
……お前が言うのか『灰かぶり』──? と、内心開いた口が塞がらないところはあったが、まあいい。僕も頷いた。
「だから、確認をしませんか……?」
「とーっても、賛成だヨ」
じとりと横目に睨まれても『灰かぶり』はどこ吹く風だ。まったく肝が据わっているというか、面の皮が厚いというか……。
「じゃあ自分が何者かを3人に一斉に言ってもらう形で確認しませんか? そしたら嘘の吐きようもないですから」
『灰かぶり』の言うとおり、いくら嘘をつくメリットが無いとしても、「嘘吐き」をデメリットとしてはっきりさせておく方がいい……なんて。さらっと石橋をノックしていく才能に苦笑した。
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