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それは正直盲点だった。ルールの説明の仕方なんて、考えもしなかった。……というより、ルールを理解してゲーム攻略を練るのに躍起になっていて、言葉選びを気にする余裕なんてなかったのだ。
「お前、すごいヨ!」
『オーロラ』は照れくさそうに頬を掻いた。
僕はここで1つの疑問が浮かんだ。
「だったらさっきのゲームはなんだったんだろう……」
「それは言えてる」
『灰かぶり』が頷いた。
独り言のつもりで呟いただけのつもりが結構ハッキリ聞こえていたらしい。
「このゲームのヒント……ですかね?」
『オーロラ』が首を捻る。
「ミスリード、だったりしてナ」
『マイア』の言葉に水を打ったようにその場が静まる。
無いとは言えない。
「……『灰かぶり』さんは気付いててあんなことを?」
仮にミスリードが目的だったとしたら、『灰かぶり』のしたことはミスリードにミスリードを重ねたことになる。
さあなんて答えるか。僕は少し期待しながら返答を待った。
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