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たしか物語の“白雪姫”は継母にその美しさを妬まれて命を狙われて──……毒林檎を食う羽目になるんだっけか。
毒林檎を食べて死んだ白雪姫を小人達は硝子の棺に入れて──……王子が来て一目惚れからの持って帰るやらでって感じだったかな……?
となると、単純に考えればキーアイテムは『毒林檎』なわけだが。
チラリと『オーロラ』に視線を向けるとまだ俯いて思考を巡らせているようだった。
場に沈黙が続いていることからおそらく『オーロラ』待ち。自分もそれに倣う。
ふと視線を感じ、その方を見るとそれは『髪長』だった。どうやら視線はこちら全員に向けてだったようで、その証拠にこちらを見る表情は挑発的で嘲笑うかのようなものだった。
「ハハッ! 頭の悪ぃ奴は大変だな! わざわざくだらないゲームに参加してご苦労なこった!」
部屋中に『髪長』の高笑いが響き、僕はため息を吐いた。こんなにアウトな人見たことない。
──刹那だった。
「ぷぎゃ」
それが僕が聞いた『髪長』の最後の声だった。
真上から降ってきた何か大きな塊の下から大量の血液が滲み出ていくのを、僕はただ見つめていた。
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