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力なく腰掛けた『オーロラ』の顔はショックから真っ白になってしまっている。
この調子では彼の思考が戻ってくるのに多少の時間を有するだろう。
まったく、主催者側はゲームを続けさせたいのかリタイアさせたいのか……。
『オーロラ』に聞こえないよう少し離れたところでため息を吐くと『灰かぶり』がやってきた。
「どう思う?」
その問いの意がいまいちわからず眉間に皺を寄せた。
「なにが?」
『灰かぶり』は僕の顔を見てぽかんとして、「お前もそういう顔するんだな」と言った。
下手を打った。今自分の余裕のなさが顕著に出てしまったらしい。
「忘れてください」
「いや、人間らしくていんじゃね」
「そうですか」
適当に流したつもりだった。
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