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「すいません、ご迷惑をおかけして……」
あれから30分弱。『マイア』の介抱もあり、なんとか復活した『オーロラ』だったが顔色はまだ優れない。
これはさっさと次のゲームに進んだ方がいいかもしれない。
「……で、わかったん、ですか?」
柔らかい聞き方が他に思いつかなくてぎこちなくなった。
「はい。紛らわしいので別称で説明しますが、茨姫は糸車……指を刺して眠りにつきます。親指姫は──……悩んだんですがおそらくですが“ツバメ”なんじゃないかと。作中多く出てきますしツバメがいなくては進まない話ですから」
「なるほどな」と『灰かぶり』が相槌を打った。
「ありがとナ」と『マイア』も労るように『オーロラ』の肩を軽く叩いた。
「じゃあその調子でいくと俺は“硝子の靴”だな」
『灰かぶり』が続ける。
「こんなゲームだからもっとヤバいものかと思って俺なりに考えてみたんだけど、シンデレラならこれしかないよな?」
「まあ、そうでしょうね」
『オーロラ』は頷いた。
やはり彼は得意分野では人が変わるタイプなようだ。
「ヤバいものは僕の方ですね。白雪姫は“毒林檎”を食べて死ぬわけですし」
「ですね……」
あはは……と、若干引かれているのはなぜだろう。
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