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最初に口を開いたのは『マイア』だった。
「ボク、嘘なんてついてないヨ?」
平常心を保とうとしているようだが、その表情は困惑を隠せていない。
「オレもです……」と、『オーロラ』が小さく手を上げた。やはり彼も困惑と不安が入り混じった表情だった。
「俺様だって嘘なんてついてねーよ!」
……まあ、『髪長』だけは『灰かぶり』の胸ぐらを引っ掴んでガンを飛ばしていたが。しかし今はそのくらいの態度が1番正しいのかもしれない。だって今のは全て、はた迷惑な虚言なのだから。
『灰かぶり』は、ひとしきり3人の様子を見てから、にっこりと笑みを浮かべた。それにギョッとした『髪長』が思わず手を離すと、『灰かぶり』は飄々と言い放った。
「すみません。俺の勘違いでした」
よくもいけしゃあしゃあと……と言わんばかりに顔を引き攣らせたのは3人だけではない。僕もである。
「じゃ、みなさん自分の『名前』はわかりましたよね?」と、『灰かぶり』が小首を傾げると、例の声が天井から聞こえた。
「ではゲーム終了。で、よろしいかな?」
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