コクハク様

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「知ってる? B組の結愛ちゃん、北川と付き合うことにしたんだって」 「え、嘘! 北川ってあの北川?」  どの北川だよと思いつつも、あの北川だろうなと思う。彼女たちが驚くのも無理はない。北川といえば、若干太っていて、思春期特有のニキビが顔中にできているような男だ。対するB組の中田(なかだ)結愛(ゆあ)といえば、まあ、そこそこかわいい顔をした女の子で、なにがどうなって北川なんかとと、ぼくも思わなくはない。 「聞いた話によると北川、コクハク様のとこに行ったらしいんだよねー」 「マジで?」 「うん。だから告白が成功したんじゃないかって言われてる」  いや、マジか。コクハク様どんだけ。 「それでさ、うちのお姉ちゃんの話によると、打ち明ける秘密が重大であればあるほど、告白の成功率があがるって話。でも、釣り合いがとれてないとだめらしいんだよね」 「釣り合い? どういう意味」 「例えばよ? わたしがアイドルのミー君に告白したって無理じゃん? わたしと相手の釣り合いがとれてないでしょ。だから、告白を成功させるためには、秘密の重大さで釣り合いをとるの」 「あー、人を殺しましたとか?」 「そうそう。それくらいの重大な秘密でないと、わたしとミー君は釣り合いがとれません……て、コラー!」
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