浦島太郎もビックリ⁉️(3)

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浦島太郎もビックリ⁉️(3)

3 手紙には、 「やはり、貴方はこの箱の蓋を開けたのですね。 あれほど、開けてはダメと言ったのに! 貴方は、今 記憶を失っているはずです。 そして、今起こっている状況に驚いているはずです。 貴方の記憶は、徐々に戻っていくでしょう。 記憶が戻る事で貴方の悲しみも増えていくでしょう。 その様になれば、貴方も後悔するはずです。 もし、今 生きているところが住みにくく、生きていけないと思った時、蓋に書いてある、鳳凰に話かけてください。 きっと不思議な事が起こる筈です。 では、さようなら。」 と、認められていた。 ……なんの事だろう?書いたのは、先程別れた女性であろう。 だが、意味が解らない。記憶が戻ると書いてある!いったいどんな記憶だ? まだ何にも起こっていないが?…… 不思議に思っていた時である。 さっきの男が、血相を変えて走りながら、私の元に戻って来た ……やばい、またあの男だ!今度は何をするつもりか?…… 「おい、ちょっと、お前! お前、一体何者だ!変な事が起こったぞ」 と、訳の判らない事を言って来ている。 イチャモンを付けに来たみたいだ。 「何が起こったと言うんだ!」 と、今度はこっちが上目線で凄んで言った。 「あんた、一体どこから来たんだ!昔の人か? 俺の頭の中に変な事が浮かんでくるんだ!」 「何だ、何が見える!言ってみろよ」 と、もっと凄んで言った。 その私の凄みに畏れを成したのだろうか、男の凄みは消えていた。 丁寧な言葉遣いで、おとぎ話をするみたいに 「貴方が、一人で歩いているとですね、ある綺麗な女性が、 男に襲われているんですよ」 と、語りかけてきた。 「いつの話だ!いい加減な事を言ったら許さぬぞ。 私はこの様に見えても、武士のせがれだ! 世が、徳川様の時代なら、お前などお手打ちにあっても仕方ないんだぞ」 と、さっきは言えなかった言葉を存分に言ってみた。 「いい加減なことではありません。あの箱の蓋を開けてしばらくしたら、この様な事が思いだされたのです。 貴方がして来た事が、私の脳裏にみえたのです。」 「私のした事が見えたと、そちは申すのか?では、言ってみろ。 嘘など言ったら解っているだろうな」 と、私はその男を睨みつけた。 「解っております。貴方様は本当に勇敢なお人です。 今から、私が見た事を正直に話します。」 と、その男は先程とは大違いで、怯えてはいるが、私を尊敬の眼差しで見ながら言っている。 私は、男の言う事を信じる事にした。
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