9人が本棚に入れています
本棚に追加
三上ゆらのから、財布の中に入っている全額の3割、3円を報酬として受け取った慎司は、「毎度、ありがとうございました」と挨拶をして来た道を歩き出した。
慎司の背後から「あのぉ!」とゆらのが声を掛けて来るが、その声には見向きもせず、慎司は左手を挙げ、バイバイと左右に手を振りながら歩道橋を渡って行く。
慎司は歩きながら、「今日の売上報酬は4503円か・・・」と独り言を呟きながら事務所に戻った。
事務所は自宅を兼ねているので、戻ると奥の部屋に入り、着ていたデニムのジャケットとYシャツ、パンツを脱ぎ、ショルダーバッグから財布やスマホを目の前のテーブルに置き、着替えとバスタオルを手にして、髪の毛を掻きながら風呂場に入った。
浴槽にお湯を貯めながら、端の方で髪と顔、体を洗う。
そして、入浴剤を貯まったお湯の中に投入してから静かに体を入れる。
一仕事終えた後の楽しみである。
最初のコメントを投稿しよう!