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浴槽に板を橋掛けすると、その上にスマホとタオルを置き、スマホには最近流行りのバラエティー番組を流す。
慎司はそれを見ながらの半身浴を日課としていたのだ。
スマホの画面に通知の知らせが表示される。
それを見た慎司は、『また、テロによる爆破か・・・』と、嫌な表情をした。
スマホ画面を、その通知で送られて来たニュースの話題に切り替えた。
『今日昼過ぎ。東京都港区品川駅近くで爆発があり、付近で選挙演説中だった環境大臣。長谷川茂雄氏66歳がこの爆発に巻き込まれ・・・』
慎司はスマホを手にすると、ボリュームを下げ、そのまま風呂から出た。
髪の毛をバスタオルで拭うと、そのまま全身を拭い、下着を着る。
そして部屋に戻ると二人掛けソファに腰を下ろした。
普段から置いているペットボトルのお茶の蓋を開けると、味に対する表情を作らず、無表情のまま喉を鳴らし飲む。
彼の頭の中では、ニュースで流れた爆発テロの事でいっぱいだったのだ。
その理由は・・・。
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