9人が本棚に入れています
本棚に追加
フレアは両手を開いて、外人がするジェスチャーを真似るかのように、「そう睨むなよ。君が失敗した時の為に、僕はここに来たんだから」と左の口元を吊り上げながら言った。
エアは視線を長谷川に戻すと、「それは・・・、僕を信じていないという事だ。誰の指示だ?」と聞き返した。
「いや。誰の指示でも無い・・・。むしろ、君の新しい技が見たくなったというのが本音さ」
フレアはそう囁くと、エアの肩を叩いた。
「ターゲットが移動を始めるよ」
エアはフレアの肩に乗せた手を払うと、「わかっている!見てろ」と呟く。
長谷川環境大臣を乗せた車が走り出した。
品川駅前での街頭演説は、次の応援議員がマイクを握って話し始めている。
「見ろ!『エアクラッシュ』だ」
エアが囁き終わるのと同時に、長谷川茂雄を乗せた車が、いきなり蛇行運転を始めたかと思うと、ガードレールにぶつかり、突然、爆発を起こした。
最初のコメントを投稿しよう!