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慎司は駅を出ると横幅の広い、駅前広場に下りれる階段をゆっくりと降りて行く。
会談を前にしてすぐに警察のパトカーが左側に列を組んで停まっているのが見えたので、視線はすでにそちらへ向いていた。
階段を下り、回り込むように駅の方へ少し戻る。
黄色い規制線テープが貼られている前で足を止めると、慎司の姿に気づいた一人の刑事が慎司に近づいて来た。
「警部」
「間崎君。すまない・・・。中に入って来てくれ。すでに鑑識の捜査は終わっているから、そのままで構わない」
私服刑事の男、川澄敦は慎司を規制線の中に入れた。
「警部・・・。ここで何があったんですか?」
慎司は警察官がまだブルーシートの中で何か捜査をしている様子を見て不安を口にした。
「報道は・・・?見たんだろう?」
川澄は慎司に尋ねた。
「えぇ・・・。爆発事件だと・・・」
慎司はブルーシートの中でどんな状況が起こっているのか、頭の中で考えがまとまらずにいる。
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