episode 2

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 川澄は慎司をブルーシートの前まで案内をすると、何も言わずに一気にブルーシートを捲った。  慎司の眼前に飛び込んで来たのは、車体に色には変化は無いが、ドアや窓は全て外れ、周囲に飛び散っている状態の黒塗りの車の姿だった。 「爆発・・・、でしたよね?」  慎司は話には爆発だと聞いていたのd、真っ黒に煤汚れた状態を想像していたが、煤汚れは一部にしか見られなかった。 「あぁ・・・。丁度あの辺で今度の都知事選の街頭演説が行われていて、そこに集まっていた人たちが爆発する様子を見ていた。けど・・・」  川澄は車体の煤汚れている部分を指差しながら、「あそこの汚れは爆発後の燃料漏れからの火災の汚れだ。すぐに消火されたからあれだけで済んでいるが・・・」と首を傾げながら説明をした。
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