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慎司はゆっくりと車に近づく。
「触っても・・・?」
振り返り川澄警部に尋ねる。
「あぁ・・・。頼むよ」
川澄がそう答えると、慎司は手が汚れないよう比較的汚れの少ない部分を見つけてから、車体に触れた。
車体に触れる瞬間、慎司は頭の中で『探索開始』と念じた。
慎司の頭の中に突然、2D画像のような真っ黒い映像が映し出される。と、そこに緑色の線が幾重にも重なりあいながら何かの模様を描いていく。
それはやがて、車の形に整って行くと、車内の色が徐々に赤くなっていき、最後は真っ白い光と共に破裂して終わった。
慎司はゆっくりと目を開く。そして、今見た頭の中の映像を元に破壊された車内に体を入れ、中の様子を確認する。
「何かわかったのか?」
川澄が近付いて声を掛けた。しかし、慎司はゆっくりと首を左右に振った。
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