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慎司と川澄は壊れた車体から離れて話を始めた。
車から離れた慎司は気づいたが、焼けたような臭いの中に血なまぐさい匂いを嗅いでいたのだが、ここに来て新鮮な空気が意外にも美味しく感じれたのだ。
「車の中が異様に赤く変色して破裂したような映像が見えた。たぶん・・・。車内で何か、異常な高温を発する物があって、それが爆発の原因となったんだと思うけど・・・」
慎司は車体の方へ振り返る。
「車内で異常な高温?それなら、何か車内で燃える物が?或いは、爆発する危険な物が車内にあった?いや・・・、それなら車内にいた人間の誰かしらが気づいて排除しているだろう?」
川澄の言葉は理にかなった言葉だ。
「そう・・・だけど。犯行がテロリストによるものだとしたら。彼らはどうやったのかな・・・」
慎司が腕組みをして考え込む姿を見つめながら、川澄は「それを君に探ってもらいたかったんだけどな・・・」と残念そうな口調で呟くと、「今日はすまない。ありがとう」と言って、慎司から離れて行った。
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