episode 3

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episode 3

 巨大なホールと呼んでもいい大会議場の巨大モニターには、太平洋上に浮かぶ世界で沈む国と言われている、サバル国の映像が流されていた。 「皆様も御存じの島国サバル国は、数十の岩礁と島から形成された国ですが、今日、22世紀を迎える時代において、すでに地球温暖化の影響を受け、その国土は海面上昇により海に沈んでしまいました。残された岩礁でサバルの国民は生活をするという、新世紀を迎えるには悲惨としたか例えようがありません」  モニターの前の壇上に立つ白髪の眼鏡を掛けた紳士が、テーブルの上に置かれたグラスの水を飲む。  モニターの画面が変わり、巨大な船の映像が流される。 「これは!私達木竜財団が日本の造船会社に発注、造らせた近未来の新しい生活の場。名付けて『コロニーシップ』であります」  巨大な船の内部が今度は映し出される。
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