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付き人に案内され歩き去っていく2人に視線を送る先生に、数人の外国人が近寄ってくると、「ミスタートナミ!素晴らしいお話を聞かせていただき、ありがとう」と握手を求めて来た。
「いやいや。こちらこそ、この様な素晴らしい会場で、私が進める温暖化対策の一つについての提案を提議させて戴いたこと。感謝しております」
握手を交わしながら、トナミは何度も軽く頭を下げた。
「ミスタートナミ。あなたはこの国連では環境について任される役職につきたいとか?」
2番目に握手を求めてきた白人の男性が質問してくる。
「えぇ、ミスターリカルド。日本単独で地球温暖化対策を叫んでも世界は動きません。ならば、国連という立場をお借りして、世界に訴えて行きたいと願っております」
リカルドは握手した手を戻すと、「それなら、今度の国連事務総長選挙に出てみなさい。そうすれば、強い権限を持って温暖化対策を訴えられる」と、彼の視線は現事務総長の後ろ姿に向けられた。
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